2023年第4四半期に、ドイツ銀行は、2050年までに排出量ネットゼロを達成するための今後のロードマップをまとめた初期移行計画を発表しました。さらに、当行は、自然関連リスクを評価し、生物多様性の損失から回復するという課題に結びつく新たな金融商品の特定を支援することを目的とした、新たな自然諮問委員会の設立を発表しました。また、ドイツ銀行は、海洋保護支援を目的とした、国連が支援するファイナンス・コミットメントである#BackBlueに参加した最初の銀行となりました。当行は、ドバイで行われた国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)で複数のイベントを開催し、そのうちの一つはドイツの産業企業6社とのパートナーシップによるものでした。ドイツ銀行は、2023年第4四半期において、ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)不動産ワーキング・グループの共同主幹事を務め、「Climate Target Setting for Real Estate Financing(不動産ファイナンスのための気候目標設定)」と題するエマージング・プラクティス・ペーパーを発表しました。
2023年通年における継続的な収益の伸び率および事業成長
コスト管理:業務効率化コストの削減によって投資コストを一部相殺
税引前利益は、2022年から2%増加し、57億ユーロ
資本の創出により、2024年上半期には16億ユーロの資本分配が可能
リスクおよびバランスシートの回復力
2023年第4四半期:継続的な収益の伸び率および資金流入
前年同四半期からの2023年第4四半期の利益は、営業関連以外の項目を反映
グローバル・ハウスバンク戦略の加速化:2025年に向けた明確な目標
「2023年の業績は、私たちにお客様がこの不透明な環境を切り抜けるお手伝いをさせていただくためのグローバル・ハウスバンク戦略の力強さを証明しています。」とクリスティアン・ゼーヴィングCEOは述べました。「過去16年間で最高の税引前利益を達成し、目標を大幅に上回る成長を実現し、主要分野への投資をしつつコスト管理に集中してまいりました。力強い資本の創出により、株主への分配を加速させることができます。これは、2025年の目標達成に確固たる自信を与えてくれるものです。」
ドイツ銀行(銘柄コードXETRA:DBGn.DB/NYSE:DB)は、本日、2022年通年と比べて2%の増加となる、2023年通年における57億ユーロの税引前利益の計上を発表しました。収益は、6%増加して289億ユーロとなり、特定項目を除くベース1では8%の増加となりました。利息以外の費用は、6%増加して217億ユーロとなり、主として営業関連以外のコスト1が2022年通年の474百万ユーロから増加して11億ユーロとなったことに牽引されました。これらの営業関連以外の項目を除く調整済コストは、効率化施策によるコスト削減が投資関連のコストを一部相殺したことから、3%増加して206億ユーロとなりました。2023年通年の費用収益比率は75%となり、2022年通年と比較して安定していました。
株主への分配の増額
ドイツ銀行は、2024年に、自社株の買戻しおよび配当の両方を前年から50%以上増加させる予定です。当行は、2023年通年において450百万ユーロの自社株の買戻しを完了した後、2024年上半期の完了を目指してさらに675百万ユーロの自社株の買戻しを行うことについて、監督当局の承認を得ています。当行は、2024年5月の年次株主総会において、2023年の配当を、2022年の1株当たり0.30ユーロから増配して、1株当たり0.45ユーロとなる900百万ユーロとすることを推奨する予定です。当行は、2023年10月に資本見通しを30億ユーロ引き上げたことで、2021年から2025年までの会計年度に関して、2022年から2026年にかけて支払う80億ユーロの資本分配目標を上回ることができる体制を整えました。当行は、本日、財務目標の達成および配当性向50%を前提として、2025年度に係る予定配当を1株当たり1.00ユーロとする最新の指針を発表しました。
チーフ・ファイナンシャル・オフィサーのジェームス・フォン・モルトケは、次のように述べています。「ドイツ銀行は重要な局面において折返し地点にあります。継続的な投資と規制上の資本要件引上げという二つの影響を吸収しながら、成長と資本の増強を図ってまいりました。今後こうしたインパクトは次第に後退し、2025年の目標に向けて前進を加速させる体制は整っています。」
グローバル・ハウスバンク戦略の加速化:2025年の目標への明確な道筋
ドイツ銀行は、2023年通年において、以下のとおりすべての側面でグローバル・ハウスバンク戦略の加速化を進めました。
2023年通年の利益の推移は営業関連以外の項目およびグローバル・ハウスバンク戦略を反映
税引後利益は49億ユーロで、前年から14%減少しました。これは、2022年から法人所得税費用が851百万ユーロ増加したことを反映しています。2023年通年の法人所得税費用には、当行の米国事業に関連した2022年末における14億ユーロの繰延税金資産(DTA)の評価調整額の増加と比較して、主に英国での好調な業績を継続的に反映した2023年末における10億ユーロのDTAの評価調整額の増加が含まれています。2022年はまた、収益源の地理的分散からの恩恵を受けていました。
税引後平均有形株主資本利益率(RoTE)1は、2022年の9.4%と比較して、7.4%でした。税引後平均株主資本利益率(RoE)1は、前年の8.4%と比較して6.7%でした。両比率における前年からの推移は、有機的資本の創出および2022年と比較して法人所得税費用が増加したことによる総資本の増加を一部反映しています。
2023年第4四半期の税引前利益は、2022年第4四半期と比較して10%減少し、698百万ユーロとなりました。前年同四半期からの推移は主に、グローバル・ハウスバンク戦略に関連する営業関連以外の項目を反映しています。つまり、のれんおよびその他無形資産の減損は、すべてがヌミスの買収に関連するのれんの減損費用によるものであり、2022年の68百万ユーロから増加して233百万ユーロとなりました。さらに、2022年第4四半期には、イタリアにおけるドイチェ・バンク・ファイナンシャル・アドバイザーズの売却益305百万ユーロが含まれています。
2023年第4四半期の純利益は、前年同四半期から28%減少し、14億ユーロとなりました。前年同四半期からの推移は主に、前述の営業関連以外の項目および前年同四半期と比較してDTAの評価調整額が減少したことを反映しています。2023年第4四半期の税引後RoTE1は8.8%、税引後RoE1は7.9%となりました。
収益:継続的な業績向上が2021年から2025年までのCAGR目標の引上げを支える
2023年通年の純収益は、前年から6%増加して289億ユーロとなり、特定項目を調整したベースでは8%の増加となりました。かかる項目には、前年のイタリアにおけるドイチェ・バンク・ファイナンシャル・アドバイザーズの売却益305百万ユーロおよび2022年のサル・オッペンハイムに係るワークアウト業務からの収益125百万ユーロが含まれています(2023年においては、いずれも生じていません。)。かかる項目はいずれも、プライベート・バンクにおいて生じたものでした。さらに、インベストメント・バンクにおける債務評価調整(DVA)は、2022年通年の49百万ユーロの利益に対して、2023年通年には47百万ユーロのマイナスの影響をもたらしました。2021年からの複合年平均収益の伸び率は6.6%となり、2021年から2025年までに3.5%から4.5%の間としていた当行の当初の目標を大きく上回りました。2023年第4四半期の純収益は、前年同四半期から5%増加して67億ユーロとなり、主に前述の前年同四半期の売却益といった特定項目を除くベースでは10%の増加となりました。
利息以外の費用:主要分野における継続的なコスト管理および投資
2023年通年の利息以外の費用は、前年から6%増加し、217億ユーロとなりました。かかる増加は、主に営業関連以外のコストが2022年通年の474百万ユーロから増加して11億ユーロとなったことを反映したもので、主に当行のグローバル・ハウスバンク戦略に関連するものです。2023年通年の営業関連以外のコストの前年からの増加は、主に、再編費用および退職費用が、2022年通年は8百万ユーロの戻入れであったのに対して566百万ユーロとなったこと、ならびにのれんおよびその他無形資産の減損が、ヌミスに関連するのれんの減損費用により、2022年通年の68百万ユーロから増加して233百万ユーロとなったことによるものです。営業関連以外の項目を除く調整済コストは、3%増加して206億ユーロとなりました。事業成長、統制および効率化施策への投資は、前述の当行の業務効率化プログラムによる節減の実現によって一部相殺されました。
2023年第4四半期の利息以外の費用は、前年同四半期から5%増加して55億ユーロとなりました。かかる推移は、前述の再編費用および退職費用ならびにヌミス関連ののれんの減損を反映したもので、2023年第4四半期における訴訟損失引当金の戻入れにより一部相殺されました。2023年第4四半期の調整済コストは、9%増加して53億ユーロとなり、将来的に発生が見込まれない多数の例外的項目が含まれていました。
2023年末現在、従業員(常勤相当)は、2023年第4四半期において従業員(常勤相当)が871名増加し、90,130名となりました。かかる増加には、ヌミスからの292名の従業員(常勤相当)および外部の従業員の内部雇用に関連する310名の従業員(常勤相当)が含まれました。これらの雇用は、その他の雇用と合わせて、2023年第4四半期における離職者を上回りました。
信用損失引当金は引き続き通年の指針に沿った水準を維持
2023年通年の信用損失引当金は、2022年通年の12億ユーロから増加して15億ユーロとなり、貸出平均残高に対する割合は、当行の指針をわずかに上回り、31ベーシスポイントとなりました。これは、2023年通年において、マクロ経済状況および金利情勢が信用ポートフォリオの一部に及ぼす厳しい影響を反映するものです。
2023年第4四半期の信用損失引当金は、2023年第3四半期の245百万ユーロから増加し、488百万ユーロとなりました。2023年第3四半期からの推移は、2023年第3四半期にモデル関連の調整が生じなかったことを一部反映したものです。正常債権(ステージ1およびステージ2)に対する引当金は、2023年第3四半期は主にモデルに起因して101百万ユーロの引当金の戻入れであったのに対し、30百万ユーロとなりました。一方、不良債権(ステージ3)に対する引当金は、2023年第3四半期は346百万ユーロであったのに対し、457百万ユーロとなりました。これは、主にプライベート・バンクおよびコーポレート・バンクにおける引当金の増加が、インベストメント・バンクにおける引当金の減少により一部相殺されたことによるものです。プライベート・バンク(ドイツ)におけるステージ2に対する引当金は、ポストバンクの統合による28百万ユーロの業務受注残高の影響を引き続き受けており、これは今後の四半期で部分的に回復する見込みです。
強固な資本創出が株主配当の50%増を支える
普通株式等Tier1(CET1)資本比率は、2022年末現在の13.4%から2023年末現在には13.7%に上昇しました。有機的資本の創出は、2023年通年の配当金、自社株の買戻し、規制上のRWAインフレおよび事業成長の複合的な影響を上回りました。ドイツ銀行のグローバル・ハウスバンク戦略の加速化の一環である資本効率化施策により、2023年通年において130億ユーロのRWA削減となりました。
2023年第4四半期のCET1比率は、2023年第3四半期末の13.9%からわずかに低下して13.7%となりました。これは、2023年第4四半期の有機的資本の創出が、配当金および自社株の買戻しの控除ならびに繰延税金資産の規制上の控除により相殺されたためです。2023年第4四半期において、ドイツ銀行は、450百万ユーロの2023年自社株の買戻しプログラムを計画どおり完了しました。2023年通年の配当金および自社株の買戻しによる株主への分配金総額は、2022年通年と比べて50%増配の10億ユーロ超となり、2022年通年および2023年通年の累積分配額は18億ユーロとなりました。
レバレッジ比率は、2023年第3四半期の4.7%から低下して2023年第4四半期では4.5%となりました。2023年第3四半期からの推移は、預金の増加による流動性準備金の増加が一因となり、主にレバレッジ・エクスポージャーがわずかに増加したことを反映しています。
流動性および資金調達力
2023年第4四半期末現在の流動性準備金は、2023年第3四半期末現在の2,450億ユーロから増加して、2,610億ユーロとなりました。このうち、質の高い流動性資産は2,190億ユーロとなり、2023年第3四半期末現在の2,100億ユーロから増加しました。流動性カバレッジ比率は140%となり、規制要件である100%を上回り、超過額は620億ユーロとなりました。安定調達比率は、当行の目標範囲である115%から120%をわずかに上回る121%となり、超過額は要求水準を上回り1,090億ユーロとなりました。
2023年末現在の預金は、2023年第4四半期において110億ユーロ増加、2023年下半期においては290億ユーロ増加して6,220億ユーロとなり、2022年末の水準をわずかに上回りました。
サステナブル・ファイナンス:取引高2は4年で2,790億ユーロに到達
2023年第4四半期の環境・社会・ガバナンス(ESG)関連ファイナンスおよび投資の取引高2は140億ユーロ(DWSを除きます。)となり、2020年1月1日以降の累積取引高は2,790億ユーロ(2023年の640億ユーロを含みます。)となりました。
2023年第4四半期におけるドイツ銀行の各事業部門は、以下のとおり貢献しました。
2023年第4四半期に、ドイツ銀行は、2050年までに排出量ネットゼロを達成するための今後のロードマップをまとめた初期移行計画を発表しました。さらに、当行は、自然関連リスクを評価し、生物多様性の損失から回復するという課題に結びつく新たな金融商品の特定を支援することを目的とした、新たな自然諮問委員会の設立を発表しました。また、ドイツ銀行は、海洋保護支援を目的とした、国連が支援するファイナンス・コミットメントである#BackBlueに参加した最初の銀行となりました。当行は、ドバイで行われた国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)で複数のイベントを開催し、そのうちの一つはドイツの産業企業6社とのパートナーシップによるものでした。ドイツ銀行は、2023年第4四半期において、ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)不動産ワーキング・グループの共同主幹事を務め、「Climate Target Setting for Real Estate Financing(不動産ファイナンスのための気候目標設定)」と題するエマージング・プラクティス・ペーパーを発表しました。
ドイツ銀行のサステナビリティ戦略、方針、コミットメントおよび活動の詳細は、http://www.db.com/sustainabilityから入手可能です。
1 本項目およびその他のGAAP以外の財務的測定尺度の詳細については、以下の「GAAP以外の財務的測定尺度の使用について」および2023年第4四半期補足財務データ(英文)の15頁から20頁をご参照ください。
2 累積ESG取引高には、2021年5月20日開催のドイツ銀行のサステナビリティ・ディープ・ダイブでの決定に従い、コーポレート・バンク、インベストメント・バンクおよびプライベート・バンクにおける、2020年1月1日から当四半期末までのサステナブル・ファイナンス(フロー)および投資(ストック)が含まれています。対象となる商品には、資本市場における発行(ブックランナーを務めた分のみ)、サステナブル・ファイナンスおよび当四半期末現在の運用資産が含まれます。累積取引高および目標には、DWSにより別個に報告される、DWSのESG運用資産は含まれません。
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